あらすじ
鎌倉の女子校に通う湊汐里（みなとしおり）は、ほとんど知らない上級生の倉橋海琴（くらはしみこと）から告白を受けます。海琴はとても美人ですが、告白してきたわりにはとても不機嫌そう。
実は、海琴は汐里と付き合わなければ妹の結海（ゆみ）に危害を加えるという手紙を、何者かから受け取っていました。何も知らない汐里は、海琴の態度を不思議に思いつつも、お付き合いを始めることになります。
みどころ
鎌倉のお嬢様学校を舞台に、女の子どうしの恋を描くアドベンチャーゲーム。
女子校が舞台ということもあって、女の子どうしの恋愛にはさほど抵抗のない世界観のよう。冒頭から告白シーンがあるなど、スピーディーな展開です。しかし告白の裏には複雑な事情があり、わだかまりが解けて本当に恋人にまでには長い道のりがあります。
物語は、汐里と海琴の視点を交互に交えて描かれます。疑うことを知らないかのように純粋な性格の汐里と、ややひねくれた海琴の内面が好対照になっています。海琴は当初汐里自身が手紙の主だと疑っていたため、トゲのある言動が多め。
スローリーが進むにつれて諸々の誤解も解け、恋人らしい間柄になっていきます。特に海琴は後半で楽しそうに汐里に話しかける姿がもはや別人のよう。ここからも2人の関係の変化を伺うことができます。最初から最後まで汐里と海琴の交際を主題にしつつも、変化に富んだ作風となっています。
その他のキャラクター
汐里と海琴が主役という点は固定ですが、他にも魅力的なキャラクターが複数登場します。特に百合要素がありそうなのは、海琴の妹の結海、そして汐里と仲の良い先輩である碧（あおい）。
結海は、間接的にせよ汐里と海琴の交際のきっかけになったキャラ。ストーリー的には重要人物のはずなのですが、意外と本人の出番は少なめ。ですがストーリー開始時点で海琴がほぼ唯一心を許している相手なので、海琴もいつもとはちょっと違う表情を見せます。姉妹百合……とまでは行かないにせよ姉妹愛を感じさせてくれます。
碧は、汐里を可愛いとしてとても気に入っています。こちらも出番は多くないものの、出てくるたびに百合な言動で盛り上げてくれるキャラ。ただしこちらは可愛い女の子全般が好きなようで、他の子にもいろいろと声をかけている模様。汐里に対してどこまで本気なのかは現状不明だったりします。一方、海琴のことはなぜか嫌っている節があったり、わりと謎の多いキャラとなっています。
第1作ではこれらのサブキャラ達の言動は全体的に謎が残されています。物語のきっかけになった手紙の主はこのうちの誰かである可能性が高いですが、明言はされていません。2022年春現在、続編のアナウンスはまだされていないものの、今後の展開が気になる部分となっています。
言語機能
テキスト関係の対応言語がとても充実しています。日本語のほか、英語、中国語にも対応しています。しかも2か国語同時表示可能。ゲーム内のいつでも（メニュー画面すら開かずに）変更可能なため、語学学習用としてはかなりのポテンシャルを秘めています。
なお翻訳者のMeruさんは他にも百合ゲーを多数翻訳していらっしゃる方です。FLOWERSシリーズや、「推しのラブより恋のラブ」もMeruさんの担当でした。本作では上記2作とはまた翻訳の方向性が違い、一字一句にこだわるよりも会話のスムーズな流れに重きを置いているように感じられます。ときには大胆な意訳もあり。読んでいて楽しい翻訳です。
プラットホーム
Steamで配信されています。ときどきセールもあり。
