「私を喰べたい、ひとでなし」苗川采

あらすじ

比名子は特別な血を持つとされ、そのために妖怪に狙われる運命の女の子。

比名子の前に現れた美少女・汐莉(しおり)は、比名子を襲う妖怪を次々と撃退します。しかし汐莉自身も妖怪であり、比名子を守っているのは、一番おいしい時期を待ってから食べるため。無気力に生きていた比名子は、自分を食べてくれるという汐莉に、不思議な魅力を感じていきます。

みどころ

妖怪に狙われる主人公と、そんな彼女を助けてくれる不思議なヒロインの物語です。これだけだと王道ですが、ヒロインもまた主人公を狙っているという設定が個性を放っています。

汐莉

本作のメインヒロインとなるのが汐莉。第1話にて、妖怪に襲われた比名子を助ける鮮烈な登場を見せました。一見比名子と同じくらいの年恰好の美少女ですが、その正体は妖怪(本来の姿を見せることは少ないものの人魚とされています)。

汐莉は比名子に積極的なアプローチをかけており、比名子も拒んではいません。一見するとほとんど友人(あるいはそれ以上)のようです。比名子を「食べたい」という汐莉ですが、本当に文字通りの意味なのか、それとも別の意味があるのかが気になるところです。

美胡

比名子の親友である美胡(みこ)は、明るく社交的な性格。比名子とは幼馴染といってもいい関係で、幼い頃に両親を失ってふさぎ込んでしまった比名子を支えていたのも美胡。

ごく普通の人間に見えましたが、単行本2巻~3巻でその正体が明かされます。ですがこれまで比名子を支えていたのは本心からの行動であり、強い絆がうかがえます。

第3巻後半からは比名子、汐莉に加え、正体の判明した美胡の3人でいること多くなっています。汐莉と美胡は比名子をめぐって牽制しあっており、ちょっとした三角関係ラブコメのように見えなくもないかも……?

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