「りりくる」とは
「りりくる」は、PARTICLEより発売されている百合ドラマCDシリーズです。1作あたり2人のキャラ（1組のカップル）をフィーチャーしています。シリアスな展開は控えめで、とにかく甘々な内容なのが魅力。みわべさくらさんによる可愛らしいキャラクターデザインも作品を彩ります。
2013年に第1シーズンがリリースされ、番外編を挟んで、新たなキャラクターを主役とする第2シーズンが開始。2015年にはここまでのキャラクターが総登場するゲーム「りりくる Rainbow Stage!!!」がリリースされました。
2018年には、ゲーム版の後のストーリーを描く後日談ドラマCD「Pure Dessert」がリリースされています。さらに、2021年にはキャラクターを一新した新シリーズ「りりくる はぁと」がリリースされています。
また、2022年には「少女軌道のリユニオン」がスタート予定です。こちらはストーリー的な関連性はないものの、カップル制の百合ドラマCDという点では「りりくる」を踏襲しています。
この記事では、主にゲーム版「りりくる Rainbow Stage!!!」を紹介します。
りりくる Rainbow Stage!!!
「りりくる Rainbow Stage!!!」は、2016年に発売されたゲームです。この時点でドラマCDに登場していたキャラクター12人に（6組）に加え、新キャラクター3人の恋を描きます。
時系列は、ドラマCDシリーズで描かれた期間を含んだ1年間。カップルごとのエピソードに分かれており、カレンダーから選択していく形になります。1つのエピソードを見ると次のお話が出現。このシステムによって、多数のカップルが登場しながらもテンポ良くプレイできます。
陽奈×彩愛
陽奈と彩愛は、ドラマCDの第1作で主役を務めたキャラ達。王道の親友百合となっています。ゲームではドラマCDより前のお話から、もっと先のお話まで、2人の物語を改めて楽しむことができます。
大人しい彩愛を社交的な彩愛がリードする関係ですが、彩愛がときおり見せる芯の強さも注目です。もっともスタンダードな百合カップルとして親しみやすい2人ですね。
真優×真衣
こちらは姉妹百合。姉の真優は、外面は良いけれど家では少しずぼらな性格。妹の真衣は、ボーイッシュでスポーツ万能の人気者。ですが実は女の子らしい一面もあります。
真優は姉として真衣を邪険に扱うこともあるものの、本心では真衣をとても大切に思っています。一方、真衣のほうは隠すでもなく普通にお姉ちゃんっ子。このあたりのギャップも面白いです。
アリス×伊吹
アリスと伊吹は幼馴染。ですが伊吹のほうが2つ年上なので学校では先輩です。さらに、アリスはお嬢様であり、伊吹は彼女に仕えるメイドという関係でもあります。幼馴染かつ主従百合というのはなかなか珍しいですね。
伊吹はドラマCD第1シリーズきってのネタキャラで、「お嬢様」ことアリスを過度に慕っています。ゲームでもその暴走ぶりをいかんなく発揮。アリスのほうは照れたり突っ込んだりしつつも、やっぱり伊吹のことが好きなようです。
歩実×羽佳
ここからドラマCD第2シリーズのキャラ。第1シーズンのキャラたちとは別の学校（ただし近所）という設定でクロスオーバーします。
歩実は可愛いものが大好きな女の子で、羽佳（わか）はその後輩。羽佳は伊吹と並ぶネタキャラで、ハチャメチャな言動で歩実を困らせています。歩実は基本的にはそんな羽佳も可愛いと思っているようですが、ときおり本気で怒ることも……。
晴×星良
意外といそうでいなかった、ライバル百合な関係の2人。晴は生徒会長、星良（せいら）が副会長です。星良はなにかと晴と張り合おうとしますが、大抵は惜しいところで負けてしまいます。とはいえ、喧嘩するほど仲が良いを地で行く関係といえます。
なつき×美緒
こちらは幼馴染百合。なつきはモデルの仕事をしている芸能人ですが、普段はゲーム好きで極度の怠け者。美緒はそんななつきの世話をするのが好きという関係です。同い年のはずですが、美緒はまるでお姉さん（あるいはお母さん？）のように見えてきたり……。
遊乃・紗恵香・珠季
ゲーム版で初出であり、主役的ポジションの遊乃・紗恵香・珠季。
遊乃は売り出し中の新人アイドル。珠季はその友人にしてルームメイト、あとなぜか忍者設定つき。そして珠季は、学園にやってきた教育実習生です。珠季は遊乃とは従姉であり、幼い頃からお互いを知っている関係。
この3人はプレイヤーの選択によってルート分岐があります。遊乃×紗恵香の親友百合、遊乃×珠季の年の差幼馴染百合、珠季×紗恵香の先生・教師百合といった感じ。同じキャラクターでもカップリング相手によって異なる一面に掘り下げが入り、それぞれ違った魅力があります。
英語版「Lilycle Rainbow Stage!!!」
2019年には英語版が「Lilycle Rainbow Stage!!!」としてリリースされました。Steamなどでプレイ可能です。
ボイスは日本語のまま残し、テキストやUIが英語化されています。これはSteamの英語化百合ゲーではよくある仕様。ですが本作の場合はもともと台詞中心の構成だったため、ボイスさえ聞いていればストーリーは問題なく追えるはず。会話の比率が高いという意味では、英会話の勉強としてもとても高いポテンシャルを持っています。
日本語版同様にカレンダーからショートエピソードを選んでみるシステムのため、これも英語の教材としての使いやすさにつながっています。1本あたりが短いので学習のペースをつかいみやすいです。
伊吹や羽佳のようなネタ成分の強いキャラの台詞は、英訳も絶妙にシュール。真面目な台詞から面白い台詞まで、様々な表現に触れることができるゲームです。
