「はるかなレシーブ」如意自在

あらすじ

大空遥(おおぞら はるか)は、背が大きいのがコンプレックスの女の子。いとこの比嘉かなた(ひが かなた)の家に住むため、沖縄へとやってきます。

たまたま立ち寄った砂浜で、ビーチバレーの練習をしている女の子達を見た遥は、興味津々。自分もやってみたいと言い出します。かなたも実はビーチバレーをしていたのですが、背が小さいのを気にして遠ざかっていました。ですが、遥の熱意に押されて、再びビーチバレーのコートに立つことになります。

みどころ

ビーチバレーに魅せられた女の子たちの青春物語です。連載は「きららフォワード」。

ビーチバレーに関する描写は意外にも本格的で、基本的なルールから始まり、最終的にはかなり高度なプレーも描かれます。まったくの初心者から始まって、最終的に全国大会まで描かれるのはなかなかスケールが大きいですね。

百合的には、ビーチバレーを恋愛に例えることが多いのが注目ポイントです。作中殆ど女の子しか登場しないため、そのまま百合っぽいやりとりとなっています。パートナーを組むことを「結婚みたいなもの」と言ったり、元パートナーを互いに「元彼みたいなもの」「元カノ」と呼んだり。基本的にずっとこんな調子となっています。

遥とかなたのペアが主役ですが、かなたのかつてのパートナー(作中の言葉でいうと「元カノ」)である成美も重要人物。百合的な文脈では、ヒロインであるかなたを巡る、遥(今カノ)と成美(元カノ)の三角関係ものと言えなくもないかも……?

遥とかなた以外にも、様々なペアが登場します。いずれもそれぞれの絆が描かれており、女の子2人であるシチュエーションが活かされています。全体的に、女の子同士の友情がとても丁寧に描かれた作品です。

アニメ版

2018年にTVアニメが放映されています。遥役は優木かなさん、かなた役は宮下早紀さん。

原作の独特の言い回しがきちんと再現されており、パートナーに関して「元彼」「元カノ」「結婚」といったワードが飛び交います。基本的に原作に忠実な内容ながら、スキンシップが少し激しめになっており、より百合なニュアンスを感じるようになりました。

なおアニメ化されたのは原作の第1話から地区大会決勝までです。続きの全国大会編のアニメ化にも期待……?

英語版

なお英語版も発売されており、英語吹き替えも付いています。日本のアニメの中でも、英語化の際に吹き替えまでされる例は意外と少ないので貴重です。

スポーツ関係の語彙を勉強したいときに有用と思われます。ビーチバレー関係の言い回しで、パートナーを恋人のように扱うのも日本語版同様。なかなか面白い表現が見られる内容となっています。

なお原作漫画にも英語版が発売されています。完結まで英語で楽しみたい場合はこちらの漫画版を読むことになるかと思います。電子書籍版もあり。