あらすじ
アイドルになるため状況した衣乃(いの)は、売れない芸能人ばかりな寮(通称「ネズミ荘」)に住むことに。衣乃は、そこで出会った仲間たちとアイドルグループ「フルーツタルト」を結成。落ちこぼれ系アイドルとしてデビューすることになります。
みどころ
売れないアイドルユニット「フルーツタルト」の奮闘を描いています。地元(東小金井)密着型の地道な活動をメインとしています。後述のアニメ化の際には、舞台となった町とコラボしたこともあります。
とはいえ真面目にアイドル活動をしているエピソードはそれほど多くなく、アイドルの女の子たちの交流シーンに力を入れた作りになっています。メインキャラの大半に、なぜか好きな女の子のタイプが設定されているのがみどころです。ストーリーが進むにつれて、その点がどんどん誇張されているような傾向さえあります。
なお作者は「ハナヤマタ」などで知られる浜弓場双さん。過去に百合姫の表紙を担当していたこともあり、百合と縁のある作家さんです。
衣乃
主人公の衣乃は、アイドルとしては新人でまだまだ発展途上。ですが明るく前向きな性格で、衣乃の頑張りによって事態が打開される展開も多くなっています。このあたりはさすが主人公といった感じ。
そんな衣乃は女の子たちからもモテモテで、「タラシ」認定されている場面もあります。特にフルーツタルトのメンバーであるはゆとへもは、衣乃のことが大好き。はゆは比較的健全な友情なのですが、へものほうはだいぶ行きすぎな愛情。へもに対抗心を燃やしてはゆも暴走してしまう展開がたびたび見られます。
はゆとへもは衣乃をめぐって牽制しあった結果一緒にいることが多く、衣乃からはむしろ仲良しと誤解されています。「はゆへも尊い」と百合認定されている場面すらあったり。
なお衣乃自身も「女の子が大好き」と公式で明言されています。原作のあるエピソード内でも、アイドルになりたい理由が「美少女とキャッキャウフフしたいから」と語っていました。
ロコ×仁菜
ロコは元人気子役ですが、当時とほとんど変わらない体形にコンプレックスを持っています。一方、仁菜はロコとは逆にちょっと育ち過ぎたスタイルを気にしています。
互いに自分にないものを求めているのか、ロコと仁菜はとても仲良し。よく抱き合っているシーンがあります。
また、ロコの妹として、売れっ子アイドルのチコがいます。妹なのにロコよりスタイルが良いこと、売れっ子なことなどにより、ロコから見ればコンプレックスになっています。チコはロコに挑発的な言動を繰り返しますが、実はロコのことが大好きなことが各所で描かれています。最近はロコ大好きであるこを隠しておらず、あまりの暴走ぶりにロコも危険を感じるほど。
ホホ
主人公達のグループ「フルーツタルト」の女性マネージャーであるホホ。いい加減な性格で、メンバー達からはいつもあきれられています。ダメな大人の代表みたいに思われているフシすらあったり。
そんなホホですが、年代の近い女性からはやたらとモテている描写があります。同期のマネージャーであるリリからは、かなり強い好意を抱かれています。一方、後輩の和歌という女性からは、「未来のお嫁さん」認定されていました。
アニメ版
2020年にTVアニメが放映されました。アイドルアニメらしく、ステージイベントのシーンでは歌やダンス入りの賑やかで楽しい出来となっています。
主なキャストは以下の通り。
- 衣乃:新田ひより
- ロコ:久保田梨沙
- はゆ:白石晴香
- 仁菜:近藤玲奈
- へも:守屋亨香
ちょうど原作3巻までのストーリーとなっています。原作ではちょっと個性的な持ち歌が披露されていましたが、アニメ版ではきちんと音源化されています。純粋なアイドルアニメとしても見ごたえあり。
第1期は、地元ライブの成功など、一応のキリが良いところまでとなっています。1つのアニメ作品としてもきちんとまとめつつ、続きが見たいと思わせるきれいな締め方です。第2期にも期待がかかりますが、果たして制作される日は来るのでしょうか。
英語版「Dropout Idol Fruit Tart」
「Dropout Idol Fruit Tart」として英語版が制作されています。日本のアニメの英語版でおなじみのFunimation制作。当初はFunimationのサイトで英語(字幕・吹き替え両方あり)版が配信されていました。
2022年3月にはBlu-rayのリリースも発表されています。吹き替え音声がある関係上、ヒアリングの教材としても期待できそうです。