「青い花」志村 貴子

あらすじ

万城目ふみ(まんじょうめ ふみ)は、「あーちゃん」こと奥平あきらと10年ぶりに再会。

同じ鎌倉にある、「松岡女子高校」と「藤が谷女学院」。 通う学校は違えど、毎朝同じ電車に乗り、一緒に遊んだりするうちに、2人はすぐに昔のような親友同士になっていきます。

そんなある日、ふみは同じ高校の先輩・杉本恭己(すぎもと やすこ)に一目惚れ。 そして恭己もふみのことを気に入り、2人は交際を始めますが……。

青い花(8)

青い花(8)

志村 貴子
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みどころ

鎌倉の町を舞台に少女達の恋を描いた爽やかな作品。 女の子同士の恋を、少女らしい淡い感情とともに活き活きと描いています。
ふみとあきらがストーリーの中心ですが、 どちらかというとふみの視点で描かれている場面が多く、 実質的にはふみが主人公といえます。

その他のキャラクターを掘り下げたエピソードもちょくちょく入るため、 登場人物が多いながらもそれぞれ愛着が沸くようになっています。 その中で女の子同士の恋が描かれていることも少なくありません。

万城目ふみ

ふみは明確に女の子が好きなキャラクターとして描かれていています。 普段はどちらかというと内気で大人しい性格の一方なのですが、恋愛面に関しては意外にも積極的です。

物語開始時点ですでに従姉妹の千津と恋人同士だった過去があり、千津に誘われるままに肉体関係まで持っていたほど。 また、初恋の相手が幼少時のあきらであることも序盤からモノローグで語られています。

ストーリー本編では早々に先輩の恭己(やすこ)と両想いになり、2人の恋模様が物語を牽引していきます。 特にTVアニメ版は1年生編のみの再現となっているため事実上のメイン。 最終的には別れることになってしまうものの、後のストーリーにも強く影響する重要な一幕です。

2年生編からは、いつも自分を支えてくれた幼馴染であり、初恋の相手でもあるあきらへの想いが強くなっていきます。 ここからはほぼあきら一筋で、恋愛感情であることも明確に描かれます。 そしてふみの想いを知った時、あきらの答えは・・・。

奥平あきら

ふみと並んでストーリーと中心になるのが、ふみの親友(さらには初恋の人)である「あーちゃん」ことあきら。 明るく元気な性格で、ストーリー前半ではよくふみの相談(主に恋愛関係)に乗ってる姿を見ることができます。

あきらはふみのことを大切な親友と認識しており、ふみが女の人を好きになったと知っても嫌悪感を示すことなく支え続けていました。 藤が谷側の視点を代表するキャラとしても重要で、活躍の場は多いです。

1年生編ではあきら自身には恋愛要素は無かったのですが、2年生編以降はふみの特別な気持ちを知ったことで転機が訪れます。

ある時ついにふみから告白を受け、思い切ってOKするのですが、この時のあきらの本当の気持ちがストーリー後半の鍵となっています。

途中いろいろとつらい展開もあるものの、最終的にはこれまでのドラマを締めくくるにふさわしい素晴らしいハッピーエンドを迎えます。

日向子先生

2年生編からあきらの担任として登場する山科日向子は、美人で生徒思いの良い先生なのですが、なんと女性とお付き合いしています。

日向子に女の恋人がいるというのは一部の生徒の間では有名な話のようで、日向子は生徒たちからよくその手の悩みの相談を受けています。 場合によっては日向子自身が生徒から恋心を抱かれてしまうことも。

そんな貴重な大人の百合キャラポジションである日向子ですが、実は初出は単行本のおまけ漫画「若草物語」(後述)。 その時点では高校生の姿での登場で、親友である織江と恋人になるまでの過程丁寧に描かれていました。

その後に成長して教師となったという設定で本編に逆輸入されたのは、ちょっとしたサプライズ。 生徒たちの間で噂になっている女の恋人とは、もちろん織江です。

若草物語

コミック第2巻以降には、巻末に番外編「若草物語」が収録されています。

本編のサブキャラクター達を主人公としており、特に杉本四姉妹(恭己の姉妹たち)の登場頻度が高め。 杉本四姉妹を登場させつつもその周囲のキャラクターどうしで意外な関係に発展するお話も多く、 上述の日向子と織江はまさにその例だったりします。

どのエピソードもかなり正統派の女子高ものという感じで、明確に恋愛として描かれているため「青い花」本編にも負けない百合度を発揮しています。

アニメ版

2009年7月からTVアニメ版が放送されました。 原作の3巻あたりまでをおおむね忠実に映像化した内容になっており、 繊細なタッチと淡い色使いで原作の雰囲気を上手く再現しています。 空気公団による主題歌「青い花」も作品の世界観にマッチした名曲です。

青い花 Blu-ray BOX

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原作3巻相当分までという関係上、 ふみと恭己の恋がストーリーの中心となっており、 あきらはあくまで2人の恋をふみの側からサポートするような役回りです。
物語上の原作との違いとしては、 ふみが自分の初恋をはっきりとは覚えていないことになっており、 とあるきっかけで初恋の記憶が蘇ることが 最終回のストーリー上重要な意味を持っています。

また、ふみ役に女優・アイドルの方を起用し、 あきらや恭己などの重要な役にも これまでアニメであまり目立った役を 演じたことのない声優さん(私が知らないだけかもしれませんが…)を起用するなど、 声の面でも普通のアニメとは一味違った独特の雰囲気を放っています。